本学の人文学部歴史学科では、1年次よりフィールドワークを重視しています。
そしてこのフィールドワークは、2年次でももちろん継続されます。
今回は2年次の配当科目である「歴史調査実習」から、5月1日(金)に実施した板橋区立郷土資料館でのフィールドワークの様子を紹介します。
同館には、淑徳大学人文学部が設置されている東京都板橋区の史料が多数寄託?寄蔵されています。
そこでこの講義では、同館に寄蔵されている史料のうち、江戸時代の古文書を使って史料の扱い方やその読解について学びました。
江戸時代の古文書は、例え1片の「紙切れ」であっても、歴史的に貴重な史料であるため、それを用いて研究を進めていくためにはまず、その扱い方を習得しなければなりません。
当日は同資料館の専門委員の先生に、史料読解にあたっての留意事項を説明していただいてから、実際の読解作業に移っていきました。
まずは2人1組でそこに記された内容を1文字ずつ原稿用紙に書いてもらう作業からはじめたのですが、江戸時代の古文書は当然ながら筆で記された「くずし字」。
1つの文字を読解するのも一苦労です。『くずし字用例辞典』などを使っても、作業はなかなかはかどりません…。
それでも懸命に読解作業を続けます。
高校までの「歴史」は、いわばできあがったパッケージを覚えていくことに主眼がありますが、大学の「歴史学」は、そのパッケージを自らの手で作り上げていく営みと言うことができます。
そのパッケージを作り上げる楽しさと難しさ。今回のフィールドワークではこの両面を学ぶことができたのではないでしょうか。