あけましておめでとうございます。表現学科の教員の杉原です。
新年があけ6日目の本日から、人文学部の後期授業が再開しました。クリスマスやお正月をそれぞれに楽しんできた学生たちも、試験や課題提出が多く控えているのでお正月気分はすっかり抜け、集中して授業を受けていました。
年明け初日の模様をレポートしようと、今日は北野 大(まさる)先生の授業を見学させていただきました!
北野大先生といえば、コメンテーターとして各メディアでもお馴染みの方ですが、環境化学を専門とする工学博士であり、明治大学では大学院理工学研究科 及び理工学部応用化学科で教鞭を取られていた先生です。これまでにも環境に関する国の審議会の委員を務められたり、現在もさまざまな国際会議に出席されるなど、化学という専門領域を軸に多方面で活躍されています。
そして、淑徳大学 人文学部の専任教員として「人間理解講座」「社会理解講座」などの一般教養の科目を教えてくださっています。これらの科目は「実学」を掲げる淑徳大学の特色でもある授業で、現代社会を多面的に理解するために、さまざまなテーマを取り上げながら学ぶ「実社会とつながる教養」の授業です。
さて、今日の授業は 「人間理解講座(生物?化学?物理)」。
人文学部(歴史学科、表現学科)の1年生の選択科目です。
前回までの授業で、農薬、食品添加物、放射性物質などさまざまな物質についての「安心?安全」について取り上げていたそうですが、第13回となる今日は、これまでに学んだ内容とも関連づけながら、「リスクコミュニケーション」について学びました。
冒頭では、「日本と欧米での安全に関する考え方の違い」について。
たとえば、安全対策を講じるときに、「人」への対応を中心に考える傾向の強い日本と、人は間違いを起こすのでまず「技術対策」を考える欧米。「安全にはコストがかかる」という意識を持っている欧米と、コストを認めにくい日本、 など。
先生の説明を聞いていると、「たしかに???」と、思い当たることが次々と頭に浮かんできます。
その後の「リスクコミュニケーション」の重要性の話でも、最近のニュースなどと結びつけながら解説してくださるので、「あのニュースは、こういうことだったのだな!」と断片的な知識がつながって理解できていきます。
こういった理解は、メディア関係の仕事をしていくうえでも、歴史の教員になるうえでも、不可欠なものでしょう。
また、北野先生のこの講義で印象深かったのが、「挙手して自分の考えを発表すると、ポイントをもらえる」というルール。
先生のテキストはところどころがブランクになっていて、そこに何が入るかを各自が考え、挙手するのです。今日、もっとも手を挙げていた学生は5ポイントを獲得していました。これも少人数だからこそできる授業スタイルですね。
先生の授業は、専門知識を単なる専門知識にとどめるのではなく、学生一人ひとりが自分なりにひもづけをしたり、思考を深めたりしながら考えるトレーニングになっているようでした。
(最後にひとこと??? 私もそんな授業を18歳のときに受けたかったです!!)
【参考】 大学HPにアップしている北野先生から「学生へのメッセージ」
http://www.shukutoku.ac.jp/jinbun/hyougen/professor/kitano.html
(文芸表現コース担当:杉原麻美)